花粉症でお困りの方へ
5月~8月頃にかけて、目のかゆみやくしゃみ、鼻水など、花粉症の症状が出たら、その原因は「草本花粉」かもしれません。
草本花粉とは、イネ科やキク科などの、いわゆる雑草の花粉です。
これらの草本植物は丈が低く、スギやヒノキなどように高い木から風にのって数10kmも飛散することはありませんが、逆にどこにでもある雑草であることから、日常生活の中で気が付かないうちに発症する場合あります。
5月~8月頃の花粉症の原因となる植物
イネ科の植物
カモガヤ、オオアワガエリなどが挙げられます。
イネ科の植物は、スギ・ヒノキと同じような鼻の症状、目の症状に加え、皮膚のかゆみなど全身症状を伴う点が特徴です。
どちらも花粉の飛散時期は5月~8月頃で、夏の花粉症の代表格となっています。
キク科の植物
ヨモギ、ブタクサなどが挙げられます。
キク科の植物が原因の場合は、同じくスギ・ヒノキなどのように鼻や目の症状が起こります。特に、ブタクサはどこにでもあるので注意が必要です。
花粉症の治療方法
花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎は、治療を始める前にアレルギーの原因(アレルゲン)を特定することで、花粉症を起こりにくくすることができます。
アレルギー検査では、問診、鼻鏡検査を行うとともに、血液検査を行ってアレルゲンを特定します。
その上で、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の治療は、抗原回避と薬物療法を中心に行います。
内服薬 ~ 早めに飲み始めると効果的です! ~
一般的に花粉症治療に用いられている第2世代抗ヒスタミン薬(一般的にアレルギーのお薬と言われているもの)を、花粉が飛散する2週間前(症状の出る前)頃から飲み始めます。
症状が出てから薬を飲み始めるのに比べて、症状が軽くすむことが多いとのデータが出ています。特に鼻汁、くしゃみが強いタイプの人に効果的です。
スギ花粉の飛散開始は「一測定点で、1月以降にスライドガラスの1平方センチメートル内にスギ花粉が1個以上捕集される日が、原則として2日以上続いた最初の日とする」とされています。
これはその年の1月の最高気温を毎日足していった値によるとされており350℃~400℃に達した時が目安になるとされています。
具体的に、花粉の飛散が開始するかというと、過去のデータから、関東圏の場合は2月いっぱいがピークとなります。年によって2週間程度の差があるため、できれば1月下旬頃から予防的に薬を飲み始めると良いでしょう。
鼻スプレー ~重症の人や鼻づまりが強い人は内服薬との併用が効果的です!~
最近、予防効果が明らかになってきているものに、局所ステロイドスプレーがあります。
効果が強く副作用が少ないため、症状が強く出る人や鼻づまりが強い人には、内服薬に加えて局所ステロイド薬のスプレーを併用します。
局所ステロイド薬のスプレーは、ステロイドの内服薬と違い使用量がごく微量で体に吸収されにくいため、安心して使用して頂けます。
花粉症対策について
外出時には、マスクや帽子を着用しましょう!
花粉の吸引を最小限に抑えるためのマスクや、髪に花粉をつきにくくするための帽子を身に着けて外出しましょう。
フリースなどの花粉がつきやすい素材の服は避け、家に入る前に体の花粉をよく払うことも効果的です。
洗濯物は家の中に干しましょう!
花粉が多い日は、洗濯物を屋外に干すのを避けましょう。
外に干した洗濯物は、花粉をよく払ってから取り込みましょう。
こまめな掃除と空気清浄機の活用
どんなに気をつけても、家の中の花粉をゼロにすることはできません。
こまめに掃除機をかけ、家の中に花粉がたまらないように注意しましょう。
また、ほこり・ダニ・花粉の除去が可能な空気清浄機を使用することも効果的です。
バランスの良い食事を摂り、よく眠る
花粉症は、アレルギー症状です。ストレスがたまっていたり、体が疲れていたりすると、アレルギーが出やすくなります。
栄養のある食事を摂り、睡眠をしっかり取って体を十分に休め、健康な状態を保つことが大切です。